探求三昧 by 百瀬直也 - 地震前兆研究家の地震予知・地震予測関連ブログ

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五つの福音書

※聖書になじみがない人にとっては、たくさんわからない言葉が出てくるかもしれませんが、そういうときは、その言葉が水色になっていたら、クリックしてみてください。このキーワード機能があることが、はてなダイアリーのメリットですから、活用してください。


クリスチャンの人ならば、このタイトルを見て「また百瀬がアホなこと書いている」と思われたかもしれません。
そうやって興味をもたせて、読みに来てもらうのが手だったりして(なんていうことはない)。
福音書というのは、新約聖書でイエスの教えを書いたものです。
でも、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4つの福音書しかないはず。


「もしかして、いま話題のユダの福音書を含めて5つなの?」と思う人もいるかもしれない。
でも残念、ハズレです。
「5つ目というのは、トマス福音書でしょ?」と思われた方、大正解です。
トマス福音書というのは、いわゆる新約聖書外典と呼ばれる文書の一つ。
いわゆる、1945年にエジプトで発見された「ナグ・ハマディ写本」の中の一つです。
イエスの生涯に沿って記述した正典の福音書と違って、イエスが語ったとされる言葉だけを集めた「語録福音書」です。
キリスト教でも異端とされるグノーシス派が採用したもので、グノーシス色が濃い内容となっています。
でも、それが他の外典のたぐいと違って学問的に注目される理由は、「Q資料」と共通する内容が少なくないこと。
福音書の中でもっとも古いものはマルコによる福音書で、マタイとルカの福音書は、そのマルコ福音書を引用した部分が少なくないのです。
でも、それだけではなく、マタイとルカには、Q資料と呼ばれる別の資料から引用したと思われる部分も多いのです。
Q資料というのは実際に発見されたわけではなく、マタイとルカの福音書から、そういう文書(イエスの語録集)が仮定されているんですね。

『THE FIVE GOLPELS』

前置きが長くなってしまいました。
本題の『五つの福音書』についてです。
これは、各国の進歩的な聖書学者たちが集まって、トマスによる福音書を含めた5つの福音書の記述は、どの部分が本当にイエスが語った言葉で、どこの部分がそうではないかを研究した結果として発表された本です。
『The Five Gospels : What Did Jesus Really Say?』という書名のペーパーバックで、Amazon日本サイトでは¥2,767(税込み)で販売されています。
私の知る限りは、まだ邦訳が出ていないみたいです。
で、仕方ないので、さきほどAmazonで購入しました。
「通常7〜9日以内に発送」とありました。


この本が画期的なのは、福音書でもっとも信頼がおける部分、つまりイエスがおそらく本当に語った言葉だと思われる部分を赤色で印刷しています。
そして、それに近い部分をピンク色などという風に色分けして、これは後世の教会で加筆されたのだろうと思われる個所を黒字にするなど、文字の色で信憑性のレベルが一目でわかるようになっています。
もちろん、学者たちが決定したことがすべて正しいわけではありませんが、このような資料なしに無批判に新約聖書を読むよりは、大いに助けになるでしょうね。
キリスト教でも、聖書に書かれたことがすべて正しいことだと信じて疑わない教派もありますが、実際に4つの福音書でも矛盾した記述があるのに、それを受け入れろというのはかなり無理なところがあります。
真理を探究する者としては、この『五つの福音書』のような試みは歓迎するところです。
どういうわけか、日本ではあんまり話題にされていないみたいですが、それだけ保守的な人々の抵抗があるということなのか…。
『Five Golpels』は、イエスの生涯を書くにあたって、どうしても避けて通れないと思って買いました。
英語が苦手だという人は、学研から出ている『キリスト教の本 上』で、この『Five Gospels』を紹介して、その研究結果を参考にして書かれている部分があるので、興味がある人は読んでみると良いでしょう。
ただしこの本、「イエスの復活なんてあるわけない」というような態度の学者が中心となって書いているので、このブログを読みに来てくれる人には抵抗あるかも。


意外なことに、もっとも古く書かれたマルコによる福音書では、上記の赤色部分が一箇所しかないそうです。
トマス福音書の方が赤色の個所が多い。
ちなみに、最も遅れて書かれたヨハネによる福音書では、赤色部分は皆無です。
こうしてみると、やはりQ資料というものの存在が大きいようです。


The Five Gospels: What Did Jesus Really Say? The Search for the Authentic Words of Jesus

The Five Gospels: What Did Jesus Really Say? The Search for the Authentic Words of Jesus


キリスト教の本 (上) (New sight mook―Books esoterica)

キリスト教の本 (上) (New sight mook―Books esoterica)


【参考サイト】

追記(20906/05/30)

今日、Amazonで注文していた『THE FIVE GOSPELS - What Did Jesus Really Say?(5つの福音書−イエスは実際に何を言ったのか?)』が届きました。
注文してから9日目に届きました。
日本に在庫があったのでしょうか。
値段は¥2,767(税込み)で、1500円以上ですから、洋書でも送料無料が適用されます。
ちなみに、米国での定価は$28.00、カナダでは$43.00です。


本をパラパラとめくってみて、「えっ、話が違うじゃないか!」と一瞬思いました。
文字が色刷りではなく、黒一色に見えたからです。
でも、よく見ると、赤色、薄い赤色(ピンク)、薄い黒色(グレー)、黒色の太字、そして普通の黒色と、色分けされていました。
赤色やピンクの部分はほんのわずかで、探すのが大変です。
ペーパーバックとはいっても、本の大きさ、重さ、厚さからすると、ちょっと気軽に電車の中で読めるというものではないでしょう。
550ページぐらいあって、洋書によくあるコンピューター本ほどのボリュームがあります。
コンパクトさよりも、文字の大きさを重視したのかもしれません。
福音書のどの個所が、イエスが本当に言った言葉なのかを、複数の学者たちが検討した結果として、非常に価値ある資料でしょうが、この結果が本当に正しいというわけではもちろんありません。
あくまでも参考として、現在執筆中の『ビードロ』(コードネーム)の執筆に役立てようと思っています。

福音書共観表』

上記の本は、トマスによる福音書を加えた5つの福音書が並べて書かれているわけではないので、比較するのは大変です。
もしそのような本を希望されるならば、日本でそういうのが出ています。


福音書共観表』、佐藤研著、岩波書店

福音書共観表

福音書共観表


こちらは、すごくカラフルです。
トマス書を含めた5つの福音書を、横に並べて見ることができる表形式になっています。
これを「彩色共観表」と題しています。
ただし、こちらの色分けはまったく意味が違っていて、5つの福音書で、記述がどれだけ一致するかの度合いを色で示したものなんです。
つまり、その内容の信憑性について吟味しているものではない。
福音書の比較をするような学者や学生などにとっては良い本でしょう。
英語よりは日本語の方が多くの人たちにとっては良いでしょうが、『THE FIVE GOSPELS』よりも値段は高いです(¥5,040)。
こちらのページで、内容の見本(PDFファイル)を見ることができます。↓
http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0246280/top.html


『THE FIVE GOSPELS』の実際の内容の吟味は、後日時間ができたら行うことにします。





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