探求三昧 by 百瀬直也 - 地震前兆研究家の地震予知・地震予測関連ブログ

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脳は地震を予知する!

かなり遅くなってしまったが、TV番組の紹介。
地震災害から尊い人命を救うために、非常に重要な事項になるかもしれないという話題だ。
2007/09/22(土)に放映されたテレビ番組、『素敵な宇宙船地球号』「「脳が地震を予知する!?〜生き物が持つ不思議なチカラ」


本題とは関係ないが、この番組のテーマ曲は子龍というユニットの曲。
個人的に子龍は好きだが、この曲は特に気に入っている。


この日の番組では、動物や人間が地震の前兆を捉えているという可能性を探るものだった。
いわゆる民間の地震予知の世界で「体感」と呼ばれる事象、つまり、ある特異な感覚をもった人々が地震の発生に先立ってそれを感じ取ることができると主張する人々がいる。
私自身、地震の前兆として地中で発生するパルス電磁波によって、耳鳴りや耳に圧がかかる"耳圧"、あるいはもしかしたら眠気・頭痛・吐き気などの胃の不快感なども「体感」といえるようになるかもしれない。
この番組は、人間の脳が地震を予知するという可能性を探求した画期的なものであり、多くの人々に見てもらいたかったものだ。
再放送などしないだろうから、番組の内容について、なるべく詳しく紹介することにしたい。

「誰かが真剣になって取り組むべき」

「ナマズが騒ぐと地震が起きる」
「キジが騒げば地震あり」
昔から、日本には地震に関するこのような言い伝えがある。
2007年7月16日に発生した新潟県中越沖地震の前に、動物たちの異常が見られたという。


飼い犬が怖がって飼い主のそばを離れなかった。
家の外で鳥が、眠れなくなるほど騒がしく鳴いていた。
モグラの歩いた後がそこら中にあった。


大阪市立大学名誉教授の弘原海(わだつみ)清氏によると、阪神淡路大震災の前にそのような動物たちの異常行動があったという報告が多数あったという。
1999年10月の台湾大震災の直前には、ミミズの大群が目撃されている。
「誰かが真剣になって取り組むべき」と、弘原海名誉教授は語る。

地震と電磁波の関係を発見した人

大阪大学理学研究部の山中千博准教授も、このような研究に取り組んでいる。
「教科書だけを信じてはいけない」と山中氏は語る。
山中氏は、恩師である故池谷元伺大阪大学理学部名誉教授とともに、この研究を続けてきた。
池谷名誉教授といえば、このブログで何度も紹介してきた。
前述の弘原海名誉教授の言葉「誰かが真剣になって取り組むべき」の「誰か」の数少ない一人だった。


その著書『大地震の前兆 こんな現象が危ない』(池谷元伺、青春出版社)は、私の人生を決めた非常に重要な本の中の一つとなったものだ。
この本については、下記のページと、そこからリンクしているページで詳しく書いている。


池谷名誉教授の仮説は、こうだ。
地震に先立つ地殻変動で、地殻に含まれる石英の岩石破壊によって、パルス電磁波が発生する。
動物たちの地震前の異常行動は、この電磁波を何らかの形で受信した結果ではないかという。

中国での地震予知の例

動物行動による地震予知の研究は、中国で既に国家レベルで行われていた。
そして、研究成果が応用段階に入っていた。
たとえば、1975年2月4日に発生したM7.3の海城地震では、政府による避難勧告により、10万人もの命が救われた。


麻布大学獣医学部太田光明教授は、動物と電磁波の関係について研究するために、32年前に大地震が発生した中国の海城市を訪れた。
太田教授は、当時の海城市地震局の職員だった男性を訪ねた。
その男性によれば、午や豚が逃げ出し、ニワトリが鳥のように飛び、ネズミが人を恐れなくなったという。
彼はそれらの動物行動により地震を予知し、3時間後に地震が来ると予測した。
実際に地震があったのは、3時間半後のことだった。
住民のほとんどは、避難勧告に従い、命を救われた。


中国では、動物園で飼育員たちが亀・イグアナなど7種類の動物の異常行動を日々チェックしている。
その観察データは、中国地震局に集められ、地震予知に役立てられる。


太田教授は、中国の動物園の動物に電磁波を当てて、行動を観測するという実験を行った。
すると、ヘビは行動が活発になり、亀やイグアナは逃げ出した。
動物たちはたしかに電磁波を感じているらしいのだ。

動物は電磁波によって地震を予知している

2004年12月26日に発生したスマトラ島沖地震では、津波により多くの犠牲者が出た。
ところが、津波を受けたスリランカ国立公園では、動物の死骸がまったく見つからなかった。
太田教授の研究室の研究員が、そのスリランカ国立公園へ調査に赴いた。
そしてわかったのは、津波の10分前に、ゾウの群があわてて道路を渡って逃げていったのが目撃されていたこと。
ゾウたちは、ふだんは毎日海岸へ来ていた。
それが、津波の4日前から、海岸に来なくなっていた。


研究員の男性は、スリランカである実験を行った。
津波の際には、低周波音が発生する。
ゾウたちは、その低周波音を聴く能力をもっているのだ。
ゾウは自ら低周波音を発し、仲間たちとコミュニケーションを取る手段とする。
彼らは、津波の到来よりも早く到達する低周波音により、津波が来ることを察知し、逃げたのではないかという。


次に、アンテナから微弱な電磁波を発生し、それを国立公園内の野生のインドゾウに向けてみた。
すると、電磁波を当てていたときにだけ、ゾウたちは警戒音である低い唸り声を上げた。

人間も電磁波を感じるか?

このように、動物たちは、電磁波を感じていることがわかった。
ならば、地震の前兆として発生する電磁波を感じ取って、回避行動を取ったとしても、おかしくはないだろう。
では、人間にはこのような能力はないのだろうか?


福岡博さんという男性が登場。
福岡さんは幼い頃から、地震の前にキーンという音が聞こえることに気づいていた。
そのような不思議な音が聞こえてから1週間以内に、地震が起きていた。
現在はHPを立ち上げ、耳鳴りと地震発生の関係を観察している。
この人のことは、耳鳴りと地震の関係について紹介しているHPを以前から知っていたので、本名は知らなかったが、あの人だなとすぐにわかった。


東京都に住む江口香織さんも、耳鳴りが聞こえる一人だった。
大阪大学の山中教授は、この二人に協力を仰いで、ある実験を行った。
電磁波発生器「バンデグラフ」をレコーディングスタジオに持ち込まれた。
福岡さん、江口さん、そして地震前に耳鳴りを感じない普通の学生たち多数が目隠しをされ、何か音を感じたら手を上げるように指示された。
バンデグラフによって電磁波が発生した直後に、江口さんは何度も手を上げた。
江口さんは、ふだん地震の前に起きるような、左耳で詰まるような感じと、右耳でキーンという音を聴いていたという。
福岡さんの方は、他の学生たちと同様に、一度も手を上げなかった。
だが、後になって、実際はポーンという音が聞こえていたようだと語った。


次に、福岡さんと江口さんは別の実験を受けた。
バンデグラフによって電磁波が発生したときに、二人の側頭葉の血流を測定した結果、実際に電磁波を音として聴いていることがわかった。
だが、興味深いことには、前述の実験で、音がまったく聞こえなかった学生も、電磁波を音として認識してはいないものの、脳では二人と同様に電磁波を音として捉えていることがわかったのだ。


普通は音として聴こえない電磁波が音として聴こえるメカニズムは、今回は解明されなかったものの、実験を担当した科学者は、そのような鋭敏な感覚をもった人々がポツポツといてもおかしくはないのではないかと語っていた。


この番組によってわかったことは、耳鳴りのような「体感」によって地震の前兆を捉えることは、あながち「非科学的」ではないのだということ。
科学というまな板に十分乗るような事象であるということだ。


私自身も、大きな地震の数日前に耳鳴りを感じることがあり、その相関関係を自分なりに探ってきた。
そのことが、科学的に説明できるかもしれないということが、この番組でよくわかり、嬉しく思った。
今後は、多少なりとも市民権を得るようになるだろうか。

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