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探求三昧 by 百瀬直也

【前兆】瀬戸内海と伊豆半島でクジラ出没が多発~大地震の前兆か?南海トラフ巨大地震との関係は?


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瀬戸内海でクジラが目撃され、また伊豆半島の伊東市でもクジラの出現が多発しているが、果たしてこれらは地震の前兆なのか、または別の要因なのだろうかということを検討してみたい。
そして、黒潮大蛇行との絡みで、南海トラフ巨大地震の発生の可能性についても考えたい。

【目次】

 

瀬戸内海のクジラ出現

12/10朝、瀬戸内海の小豆島沖でクジラを目撃したという情報が寄せられた。
瀬戸内海で鯨が目撃されるのは珍しいことだという。


クジラは、男木島と小豆島の間を通る航路を航行していた船舶が目撃し、海上保安庁に報告したもの。
高松海上保安部の巡視艇が現場に向かったところ、小豆島の黒崎から南約1200mの海上で、体長約15mのクジラが泳いでいるのを発見した。


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12/5には、目撃地点から東へ約8kmほどの海域でもクジラの目撃があった。
そのクジラと同一の個体なのかもしれない。
というか、普通に考えれば、その可能性が高いだろう。


下記に埋め込んだニュースの動画を見ると、頭にロープのようなものが絡まっていて、このために遊泳に関わる何らかのトラブルが発生している可能性もある。
専門家によると、「網に絡まってうまく泳げず、太平洋か日本海から迷い込んできたのかもしれない」という。
また、クジラの種類は、ナガスクジラの仲間ではないかとのこと。



 

伊東市でクジラ出現が多発

伊豆半島の東側、静岡県伊東市の沿岸では、12/12~13にかけて、クジラが相次いで定置網に入ったり、海岸に打ち上げられたりした。


伊東市の川奈港の沖合に設置された定置網には、今朝12/13に、体長6m前後の2頭のミンククジラが迷い込んでいて、息絶えていた。
12/12午後には、伊東市富戸の海岸に体長5mのザトウクジラの子供が座礁して息絶えていた。
こちらは、かなり腐敗が進んでいたという。

大地震の前兆か?(瀬戸内海)

このブログのお決まりとして、これらのクジラの迷い込みやストランディング(座礁)が、地震の前兆現象かどうかを検討してみたい。


瀬戸内海の方は、前述の専門家の推察通り、うまく泳げなくなったために迷い込んだものかもしれない。
別の可能性としては、このところ続いている紀伊半島周辺の地震によって、前兆の電磁波で方向感覚が狂わされているということも、あるかもしれないが、可能性は高くないだろう。


これまで私が収集してきた鯨類の出現データの中で、瀬戸内海の事例で地震の前兆だったという例は、探すまでもなく、全く無い。


ただ、一つ気になることがある。
大気中ラドン濃度で、広島観測点のグラフが、異常値を示していること。
下記のグラフは、今日現在の最新データによるもの。


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ラドン濃度の見方をある程度知っているが、広島のデータを見るのは初めてという人は、これを見てビクッとするだろう。
ピーク値がグラフの枠を飛び出て伸びている。


もっとも、これは広島ではよくあることなのだ。
だから、自分的には「またか…」といった感じだ。


だが、表示レンジの問題があるとしても、ピークから下がりきって、また上昇を始めているため、瀬戸内のクジラの一件もあるので、周辺の人々は念のため注意してください。

大地震の前兆か?(伊東市)

次は、静岡県伊東市の出現事例を検討する。
駿河湾や相模湾あたりでは、鯨類に限らず、深海鮫を含むサメ類や深海魚の捕獲や座礁が多い。


だが、この付近でのクジラの出現が地震につながった事例は、意外と少ない。
あっても、冬季以外の期間で、冬に話題になるとしても、それはメガマウスなどの深海鮫やリュウグウノツカイといった深海魚だ。


というわけなので、自分の経験からすると、地震前兆ではない可能性が高いと思う。
一般的にいって、寒くなってきてから深海魚やクジラが出現するのは、海水温の異常などの要因で説明できることが多い。
特に、冬季の日本海での座礁のたぐいは、ほとんどそうだったりする。

黒潮大蛇行に影響か?

伊東市の出現事例では、一つの解釈の可能性がある。
それは、「黒潮の大蛇行」だ。


黒潮が東海地方沖で大きく蛇行する「黒潮大蛇行」の現象は、昨年夏に発生し、現在まで続いている。
この発生は12年ぶりのことだったが、依然として終わる気配を見せない。
大蛇行が過去最大の南下を記録した時は、4年8カ月続いていたが、今回も長期化する可能性があるという。


今年6月に東京湾でクジラ目撃情報が多数あったが、東京海洋大の長井健容助教によると、「房総半島南岸では通常より黒潮が接岸し、外洋に生息する生物が沿岸に寄ってくる。東京湾のクジラも同様と考えられる」という。


下記の図は「黒潮親潮ウォッチ」の来年2/7時点の大蛇行の予測だ。


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【画像】「黒潮親潮ウォッチ」サイトより


このように、東海地方沖では離岸(大蛇行する度合い)が大きいが、そこから静岡県沖あたりで戻り、黄色で示すように海水温が相対的に高くなる。
伊豆半島でクジラの出現が多いのも、このあたりが関係しているのかもしれない。

今後の大蛇行の予測と南海トラフ巨大地震の発生

前述の「黒潮親潮ウォッチ」のサイトの予測を見ると、12月後半からは九州の東でも離岸が発達し、「小蛇行」する可能性があるという。
典型的な黒潮大蛇行が続行する間は、南海トラフ巨大地震が発生しないといわれる。
そうなると、九州で「黒潮大蛇行もどき」が発生すると、もしかして日向灘地震が「抑制」されるのだろうか?
…というのは現時点では単なる推測で、これからの課題としたい。


少なくとも言えるのは、来年2月までは大蛇行が続き、この分ではその後も元気に(?)終わらずに続いてくれる可能性が高いという。
こういうのは、ずっと元気で続いてくれた方が良い。


というのも、南海トラフ巨大地震は、黒潮大蛇行の間に発生した例がないからだ。
…と言っている間に2月をすぎれば、しばらくは安心できる。


過去の南海トラフ巨大地震はすべて7月~2月に起きているためだ。
そして来年7月になって発生の可能性が出てきても、まだ大蛇行が続いてくれていたら、「まだしばらくは安心だ」ということになる。


クジラ出現の話から少し逸れてしまったが、一度起きれば「国難」になるかもしれないこちらの方がずっと大事な話なので。


【参考】


2019年2月6日までの黒潮「長期」予測(12月12日発表) – 黒潮親潮ウォッチ

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