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探求三昧 by 百瀬直也

【研究】黒潮の大蛇行の終了後数ヶ月以内に大地震(南海トラフ巨大地震含む)が発生する傾向


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日本の西日本の太平洋側を流れる黒潮(日本海流)が、紀伊半島・遠州灘沖で南へ大きく蛇行して流れることを「黒潮の大蛇行」と呼ぶ。
この大蛇行が終了して直進期(非大蛇行期)に入ってから数ヶ月中に、日本の太平洋側でM7超の海溝型地震が起きることが多い、ということを解説する。

【目次】

 

南海トラフ巨大地震と黒潮の大蛇行

私はかつて、自分のブログ及びTOCANAで、過去の南海トラフ巨大地震は、(黒潮の大蛇行の存在がわかった時代以降では)、すべて黒潮の直進期に発生していたことを紹介した。


このことに関心を持ったのは、2014年頃で、下記の「探求三昧ブログ」で書いている。


また、TOCANAでは2015年に最初に関連する記事を書いた。


その後、黒潮大蛇行が終了してから数ヶ月のうちに、南海トラフ巨大地震を含めて日本で大地震が起きやすい傾向を見出し、2018年6月のTOCANAの記事で書いている。

 

黒潮直進期に入って数ヶ月以内に大地震の傾向

今回発表する新たな発見としては、黒潮の大蛇行期間が終了してから数ヶ月のうちに、日本の太平洋側でM7超の海溝型地震が発生する頻度が高くなる傾向にあるということだ。


以下に、わかっている黒潮大蛇行の期間を示し、大蛇行期間終了の数ヶ月以内に日本付近の太平洋側で主にM7.0以上の地震が起きている例があれば下に示す。

■黒潮大蛇行(黒潮異変)が終息した後で数ヶ月以内に日本の太平洋側で大地震が起きた例
 【凡例】”●”:西日本の太平洋沖、”◎”:西日本の内陸


【大蛇行】1854年1月~12月(ペリー艦隊観測)~?
→◎1854年07月09日:伊賀上野地震(M7.2、犠牲者約1,800人)
?1854年12月23日:安政東海地震(M8.4)
?1854年12月24日:安政南海地震(M8.4)
1854年12月26日:豊予海峡地震(大分県-愛媛県間)(M7.3~7.5)


◎1855年03月18日:飛騨地震(M6.9)
●1955年11月07日:遠州灘(M7.0)
1856年8月23日:安政八戸沖地震 M 7.5〜8.0(Mw 8.3)
●1861年02月14日:文久西尾地震(M6.0)


【大蛇行】1870年~1875年11月
→◎1872年03月14日:浜田地震(M7.1)


【大蛇行】1890年~1891年
→◎1891年10月28日:濃尾地震(M8.0)


1894年3月22日:根室半島沖地震 - M 7.9 - 8.2、津波。
1896年6月15日:明治三陸地震 M8.2〜8.5(Mw8.5)
●1899年11月25日:日向灘(M7.1)


【大蛇行】1901年12月~1902年5月頃


●1905年06月02日:芸予地震(M7.2)


【大蛇行】1906年4月~1912年9月
→1909年03月13日:千葉県房総半島沖 M7.5。
→◎1909年08月14日:姉川地震(江濃地震、M6.8)
→【参考】1911年6月15日:喜界島地震 - M 8.0(mB 8.1)、犠牲者12人。


【大蛇行】1917年2月~1922年3月
→◎1921年12月08日:龍ヶ崎地震 - 千葉県・茨城県県境付近。M7.0。


1922年4月26日:浦賀水道地震(M6.8)


【大蛇行】1923年9月~1934年3月頃
→◎1923年09月1日:関東地震(関東大震災、M7.9)
→1923年09月02日:千葉県南東沖 - M7.3、最大震度5。
→◎1924年01月15日:丹沢地震(M7.3)
→◎1925年05月23日:北但馬地震(M6.8)
→1931年11月2日:日向灘(M7.1)
→1933年3月3日:昭和三陸地震 - M8.1、大津波、犠牲者・行方不明者3,064人。
→1934年2月24日:硫黄島近海(M7.1)


【大蛇行】1934年3月~1944年前半
→◎1935年07月11日:静岡地震(M6.4)
→●1939年03月20日:日向灘(M6.5)
→●1941年11月19日:日向灘(M7.2)


●1944年12月7日: 昭和東南海地震(M7.9)
●1945年1月13日:三河地震 - M6.8(Mw 6.6)
●1946年12月21日:昭和南海地震(M8.0、Mw8.4)
1952年3月4日:十勝沖地震 - M8.2、津波。


【大蛇行】1953年7月~1955年12月頃
→1953年11月26日:房総沖地震 - M7.4、最大震度5。
→1655年05月02日:房総沖地震 - 千葉県で津波。
→1955年05月30日:硫黄島近海(M7.5)


【大蛇行】1959年5月~1963年5月頃
→●1961年02月27日:日向灘(M7.0)
→◎1961年8月19日:北美濃地震(M7.0)


1963年10月13日:択捉島沖地震(M8.1)
◎1965年04月20日:静岡地震(M6.1)
●1968年04月1日:日向灘地震(M7.5)
1968年5月16日9時48分:十勝沖地震 - M7.9、津波。


【大蛇行】1969年3月~1969年12月頃
→◎1969年09月09日:岐阜県中部地震(M6.6)


●1970年5月27日:小笠原諸島西方沖(M7.1)
●1972年02月29日:八丈島東方沖(M7.0)
●1972年12月04日:八丈島東方沖地震(M7.2)
1973年6月17日:根室半島沖地震 - M7.4。
●1974年11月30日:鳥島近海 - M7.3。最大震度4。


【大蛇行】1975年8月~1980年3月
→●1978年01月14日:伊豆大島近海、M7.0
→●1978年03月07日:東海道南方沖、M7.2


●1980年6月29日:伊豆半島東方沖M6.7 6月25日〜7月 伊豆半島東方沖で群発地震
1980年09月25日:千葉県北西部 - M6.0、最大震度4。


【大蛇行】1981年11月~1984年5月
→1983年5月26日:日本海中部地震 - M7.7、大津波、犠牲者104人。


●1984年8月7日:日向灘(M7.1)


【大蛇行】1986年12月~1988年7月
→●1987年03月18日:日向灘(M6.6)
→1987年12月17日:千葉県東方沖地震(M6.7、最大震度5)。


【大蛇行】1989年12月~1990年12月


1993年7月12日:北海道南西沖地震 - M7.8、犠牲者・行方不明者230人。
1994年10月4日:北海道東方沖地震 - M8.2、犠牲者・行方不明者11人。
◎1995年01月17日:兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災、M7.3)
●2000年03月28日:硫黄島近海(M7.9)
●2000年07月30日:三宅島近海(M6.5)
2003年9月26日:十勝沖地震 - M8.0。


【大蛇行】2004年7月~2005年8月
→2005年8月16日:宮城県沖(M7.2)


2005年11月15日:三陸沖(M7.2)
●2009年08月09日:東海道南方沖(M6.8)
●2009年08月11日:駿河湾(M6.5)
●2010年11月30日:小笠原諸島西方沖(M7.1)
●2012年1月1日:鳥島近海(M7.0)
●2013年04月13日:淡路島付近(M6.3)
●2015年05月30日:小笠原諸島西方沖(M8.1)
2016年10月21日:鳥取県中部(M6.6)


【大蛇行】2017年9月~2019年x月?
→◎2018年06月18日:大阪府北部地震(M6.1、最大震度6弱)
→◎2018年09月06日:北海道胆振東部地震(M6.7、最大震度7)。犠牲者41人。

 

考察

このように、16例中8例で、数ヶ月(半年くらい)以内に日本の太平洋側で大地震(M7.0~)が起きていた。
(地震の回数は合計12回)
その他に、大地震の中には、大蛇行期間が終了する少し前に発生したものもある。
更に、該当する8件中の3件が、南海トラフ巨大地震だった。


たとえこのような傾向があるとしても顕著なものではなく、確率的に有意であるかどうかは判断が難しいところだが、今後の課題としたい。

傾向(仮説)

(1)黒潮大蛇行中は西日本の内陸地震が多い?

【例】

・1891年10月28日:濃尾地震 - M8.0
・1909年11月10日:宮崎県西部 M7.6。
・2016年04月16日:熊本地震 - M7.3。
・2018年06月18日:大阪北部地震
・2018年09月06日:北海道胆振東部地震

 

(2)黒潮大蛇行期間中は西日本の太平洋側で海溝型地震の発生が抑制される?

【例外】

1909年03月13日:千葉県房総半島沖 M7.5。
1955年05月30日:硫黄島近海(M7.5)
1978年01月14日:伊豆大島近海、M7.0
1978年03月07日:東海道南方沖、M7.2

 

今後の予測

上記のような傾向(法則)があるとすれば、現在起きている黒潮の大蛇行が終わる時が7月~2月ならば、下記の2つの南海トラフ地震の発生条件が揃うことになる。

  1. すべて7月~2月に起きている。
  2. すべて黒潮の直進期(非大蛇行期)に起きている。


このように、黒潮大蛇行は南海トラフ巨大地震などの西日本太平洋沖で起きる大地震の発生に大いに関係してると思われる。


【参考】
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nagare1982/2/2/2_2_137/_pdf
 

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