【東日本大震災13年】『花は咲く 3.11の記憶』明菜さんの壮絶体験から学ぶ、津波から助かるために「絶対してはいけない」4つの行為

2024/03/11

巨大地震 津波 東日本大震災

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3年前の東日本大震災10周年に際して、秋田県の明菜さんが体験した大震災の壮絶な体験記と、その後に災害などを亡き身内から夢で知らせられるようになったことをまとめたYouTube動画を公開したが、13年目に併せて再度紹介する。

また、明菜さんの体験から得た津波から助かるための教訓を、再度紹介する。


■『花は咲く』

まず、3年前にYouTubeで公開した動画『花は咲く:3.11の記憶~津波で家族を亡くした秋田県の明菜さんの手記』をまだ見ていない方は、もし良かったら見てください。


明菜さんのことを知らないで、またこの動画も見ないで以降の内容を読んでも、情報不足で理解できないかもしれないので。



ちなみに、明菜さんとは私が命名した仮名であり、私は本名や素顔などを知っているが、向こうから連絡がある時に「明菜です」と書いてくるので、こちらも「明菜さん」と呼ぶようになってしまった。


あれから早くも13年経ってしまった。

明菜さん自身は、この日が巡ってきて、愛する人と子供を亡くした記憶がよみがえって、さぞかし辛い気持ちもあるだろう。

13年たった日の心境を、今朝の自身のブログで綴っている。



■明菜さんからのメール

明菜さんから初めてメールをもらったのは、5年前の2019年3月7日、大震災から8年が経とうかという時だった。

そのメールでは、大震災で悲惨な体験をした後で、亡き家族が夢で未来に起きることを知らせてくるようになったとある。


その後、掲示板などで書いても誹謗中傷が酷く、私のブログで彼女の予知夢や地震前兆などに関するメールを紹介するようになった。


その後、明菜さんがAmebaでブログを立ち上げ、夢や地震前兆などを綴るようになった。

だが、また攻撃がひどくなったりして、今は夢の内容は私と共同で発行している有料noteマガジン『明菜の夢見るマガジン』だけで公開している。



上記のYouTube動画などの明菜さんの壮絶な津波体験から、われわれが大地震や津波から命を守るために学ぶことは多い。

そのような教訓となることは、以下の4つにまとめられるだろう。


■4つの教訓

【1】津波警報などが発令された後に、周囲の人々を気遣って家に戻ったりしない。


3.11の動画で、津波が背後に迫っていて高台に避難する人々が、後ろを振り向き振り向き進んでいるのを見て、この人はその後にどうなったか心配になってきた。


もしかすると家族か知り合いが背後にいて、気遣っているのかもしれないが、これも推奨できない行動だ。


東北の三陸地方で昔から伝えられてきた「津波起きたら命てんでんこだ」という言葉がある。

つまり、津波からの避難時には、てんでんばらばらに逃げるべきということだ。


他人の命を助けたくても、自分が命を失ってはできない。

まず自分の安全を確保してから、他者を助けるべきなのだ。


【2】津波がなかなか来ないからと自己判断して家に戻らず、公的機関の発表を待つ。


よくあるのは、津波発生後に避難所へ避難したが、いったん津波が収まって、家から持ってくるのを忘れたと家に戻って、押し寄せた津波の犠牲になるケースがある。


家に戻らなければならない理由があっても、津波警報などが解除されたことを確認してから帰宅すべきだろう。


【3】車での避難では、渋滞に巻き込まれて車ごと津波に流される危険がある。


元日の能登半島地震では、津波発生後に多くの人々が車で高台に避難しようとして、いたるところで大渋滞が発生した。


地震発生の10~20分後に渋滞が始まっていた地域もあり、さらに高台を目指す車の列ができた。


津波からの避難では、原則は「徒歩で避難」が推奨されている。

東日本大震災でも、渋滞に巻き込まれて結局高台まで避難できず、命を落とした例が非常に多かった。


足が悪いなど身体的に徒歩による避難が困難な場合を除き、いちばん信頼できる自分の足で移動することが大切だ。


【4】自分の人生の経験で「今までは大丈夫だったから」避難しないといった自己判断で命を落とした人が非常に多い。


これは明菜さんが常に書いていることで、災害発生時に、少ない自分の経験だけを頼りに、波が引いただろうから船の様子を見に海へ行くなど、自己判断で行動することは避けるべきだ。


ある出来事が、自分の数十年の人生の中で無かったからといって、それより昔にはあったかもしれない。

また、これまで歴史上で無かった出来事でも、起きてしまうことがあるのが災害というもの。


人間は、予期しない事態に対峙した際に、「ありえない」「考えたくない」という心理状況に陥りやすい。

このことを、心理学では「正常性バイアス」つまり「正常化の偏見」と呼ぶ。


つまり、何か「異常な」ことが起きていることを認めたくなく、今は「正常」なのだと思い込む偏見のことだ。


私は長年災害の研究をしてきて痛切に思うのだが、日本人は特に、災害時に正常性バイアスを持ってしまう人が多い。

そのため、災害で被災した人々の常として、「こんなことになるとは夢にも思わなかった」というのが常套句になる。


私は常に思うのだが、いや、「夢にも」思わなければいけないのだ。


いわゆるスピリチュアル系の人々が「ポジティブシンキング」と呼んで常にネガティブなことを考えるなと教えるが、こと災害に関しては「逆」なのだ。

ネガティブな事態が起きる可能性を常に考えて、そういうことが起きた際に対処できるように行動することが大切だ。


「ポジティブシンキング」という言葉を聞くと、「Positive thinking」ではなく「Positive sinking」と思ってしまうのだ。


■「地震体験」もお薦め

前述のような正常性バイアスを自分が持たないようにするのは中々難しいが、できることとしては、大地震や大津波など大災害の経験者・被災者の体験をつづられた本などを読んで、そこから学ぼうとする姿勢が大切だろう。


また、生まれて初めて体験する大きな揺れに襲われればパニック状態になるかもしれないが、そうならないためには、たとえば「起震装置」による大地震の疑似体験がある。

私は今まで何度か、最大「震度7」の揺れをシミュレーションした起震装置による体験をしてきて、それまでより少々の揺れでは怯えなくなった。


下記のYouTube動画で、子供たちと共に体験した起震装置体験を公開している。



各地の防災館などで、このような起震装置を用いた「地震体験」ができるところもある。







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ノンフィクションライター、地震前兆研究家、超常現象研究家、ブロガーの百瀬直也が地震・災害などを扱うWebサイト/ブログ。

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