【防災】東日本大震災の津波から1万人の命を救った「現代のオトタチバナヒメ」遠藤未希さんを忘れない

2022/03/13

tocana 地震 津波 東日本大震災 防災

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今日Facebookで流れてきた記事の写真に、ハッとした。

そこにある若い女性の顔は、決して忘れることのできない人だったからだ。

11年前の東日本大震災の津波から、約1万人の人々の命を救って、自らは津波の犠牲となって帰らぬ人となった感動の逸話だ。


■防災放送を続けた女性

遠藤未希(みき)さんという女性がいる。

没年は、11年前の一昨日、2011/03/11。


2011年3月11日の当時、宮城県南三陸町役場の危機管理課に勤務していた。

その時、14時46分に、東北地方太平洋沖地震が襲った。


未希さんは、いち早く南三陸町防災対策庁舎の2階の部屋で防災無線を始めた。

そして地域住民に避難を呼びかけた。


南三陸町では、6m以上の高さの津波が予測されていた。

放送中には、「10m以上」に変わった。

そして、津波は既に海辺に達していた。



■「上に上がって」

未希さんのアナウンスが流れるニュース動画は、今でもYouTubeで見ることができる。


「10メートル以上の津波が押し寄せています」

「高台へ避難してください」


動画では、そう放送を続ける未希さんの声が流れる。

そこに、背後に男性が未希さんに呼びかける音声が混じっている。

共に防災無線室にいた、先輩の三浦毅さんだった。


「上に上がって、未希ちゃん、上がって!」


男性は何度も繰り返すが、未希さんは放送を止めなかった。


「自分の命よりも、多くの人々を助けなければ」

そう思っていたのではないか。




そのYouTube動画を、ここに埋め込んでおく。




■「切羽詰まった声だから」

その時、3階建て庁舎の屋上のアンテナにしがみついて助かった職員もいた。

だが、そこには未希さんの姿はなかった。


YouTubeの動画を見ると、津波が襲来して数メートル浸水した後も、未希さんの声が響いていた。

美希さんは、最期まで放送を続けていたのだ。


その後、4月23日に、未希さんの身体が捜索隊によって志津川湾で発見された。

前年7月に結婚した夫がプレゼントしたミサンガが、左足首に巻かれていた。


南三陸町では、約1万人の人々が避難して助かったという。

未希さんのアナウンスに助けられた人が多いだろう。


防災放送を聞かなかったら逃げていなかったという人もいた。

アナウンスが「切羽詰まった声だから」と、避難したという女性もいる。


母親の遠藤美恵子さんは避難所で、隣の地区の女性が話しているのを耳にした。


「あの声が忘れられない。あの声に助けられた」と。


「それは私の娘です」と、美恵子さんは言った。



■現代の弟橘媛

私はこの逸話を知って、「現代の弟橘媛だ」と思った。


自分は、50年以上にわたり霊的世界のことを探究・研究し続けてきたから、わかる。


「この人は大丈夫だ」と。


おそらく霊界であまり苦しまず、悟ることができると思う。

そして、尊い自己犠牲を実践した人間として、向こうの世界で高いところまで成長できるだろう。


たしかに、現代のオトタチバナヒメだ。

海神の怒りを買った夫の日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を助けるために、自ら海に身を投げた。


私も、この女神さまや未希さんのように、自分も自己犠牲の行いができるようにならないといけないのだと思った。



■「未希の家」

遠藤未希さんは、1986年07月18日、宮城県本吉郡志津川町(現・南三陸町)で生まれた。

大震災当時は、24歳だった。


未希さんの「その後」といっても、すでに亡くなっている方だから、ご本人のその後ではない。


「農漁民宿 未希の家」という民宿がある。

未希さんのご両親が、大震災から3年経った2014年7月に始められた民宿の名称だ。


Googleで検索すると公式サイトがあるが、まだSSL化されていない「保護されていない通信」とブラウザに表示されるので、セキュリティー上好ましくないので、リンクは張らないでおく。


ご両親は、民宿に宿泊される人々に、娘が体験した、命の大切さを訴える。

そして、津波の際にはより高いところに逃げるようアドバイスをしているという。



■TOCANAの記事

その後、大震災から7周年の2018年3月11日に、TOCANAで『【3.11特集】東日本大震災を生き抜いた人々の感動エピソード5選に涙が止まらない! 「見えない存在」の助け、命を懸けた救助…!』と題した記事が掲載された。


東日本大震災を生き抜いた人々の感動的エピソードを5選選んだもの。

そのうちの1つが、遠藤未希さんのことだった。


ここでは、下記の5つの逸話を紹介している。


・暴走族を解散してボランティアグループに転じた若者たち

・冷水に浸かったまま15時間耐え、車椅子の妻を助けた71歳

・亡くなった息子が夢に現れて命を救われた

・先祖の霊が知らせてくれた

・自分の命と引き換えに多くの命を救った24歳の女性


この最後に挙げたのが、遠藤未希さんのことだった。


関心がある方は、最後の未希さんの話も含めて、読んでみてください。




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