11/19午後に、千葉県で異様な棒状の雲が見られ、オーストラリアの「モーニンググローリー」のようだとか、地震雲ではないかと噂されたが、実際はどうだろうか、検討してみた。
■ロール雲
一昨日11/19午後に、千葉県で見られた太い棒状の雲について、NHKテレビなどメディアで話題になった。
2024/11/19 14:00頃:千葉県で2本の長い帯状の雲が現れた。
気象学が専門の東京大学の新野宏名誉教授は、「画像を見るかぎりでは、オーストラリアで良く見られる『モーニンググローリー』と呼ばれるロール状の雲と似ている」と指摘する。
一般には、「ロール雲」と呼ばれる。
■衛星画像
問題は、この雲が「地震雲」かどうかだ。
下記のInstagram投稿で紹介した、衛星画像がある。
気象衛星「ひまわり」の衛星画像を確認してみた。
まず、下記が直前の11/19 12:00時点のもの。
東京湾の南部に、房総半島から東西へ伸びる雲が見える。
次が、多くの人々が雲を見たという11/19 14:20時点のもの。
この太い筋雲が、目撃された雲の可能性がある。
そして、その翌日に、上記の図に書き入れた地震が起きた。
だが、問題の雲は東西方向に伸びていて、地震の震源はその延長線上にはない。
以上のことを考慮すると、このロール雲が地震の前兆雲だった可能性は低いだろうと思われる。
地震雲の可能性を完全には否定しないが、現時点で持っている情報によって判断すると、そういうことになる。