06/21から始まったトカラ列島近海の群発地震は、5日間で400回を超えて、発生頻度が減ってきたが、過去105年ほどの3000件近い地震データを解析してわかったのは、海洋現象と関係があることだった。
■トカラ列島近海
06/21朝に始まったトカラ列島近海の群発地震は、この記事を書いている06/25 22時時点で、計400回を超えた
2025/06/21 08:13:トカラ列島近海、M2.7、最大震度1
~【406回】
2025/06/25 18:13:トカラ列島近海、M3.1、最大震度1
下記のマップは、1919/01/01~2025/06/23のトカラ列島近海の地震を検索したもので、検索結果の関係でM3.0以上のみを絞って検索している。
今日時点では、気象庁「震度データベース検索」には06/23までの分しか収められていない。
■過去の群発
全開に続いて、今日もトカラ列島近海で群発地震が起きた後で大きな地震が続いた例を示す。
・1996/02/17 10:17:トカラ列島近海、M2.9、最大震度1
~【18回】
1996/02/24 02:47:トカラ列島近海、M3.4
→1996/03/05 23:52:台湾付近、M6.6、最大震度3、深さ57km
→1996/03/06 02:32:台湾付近、M6.1、最大震度1、深さ61km
この場合は、群発地震の後で台湾でM6クラスの地震が続いた。
このような例はかなりあるが、逆に台湾で大規模な地震が起きるとフィリピン海プレート周辺の西日本でも地震が続くことが多い。
■「異常震域」
トカラ列島近海でも結構な深さの地震があり、「異常震域」が見られる地震も少ないがある。
以前にも紹介したが、9年前に起きていた地震では、下記の通り予測円内で何度か大規模な地震が起きていた。
つまり、熊本地震(前震・本震)の1ヶ月前に、トカラ列島で「異常震域」を伴う深発地震が起きていた。
このような法則性を当時から把握していれば、警告できていただろう。
■海洋現象との関係
現在「震度データベース検索」に収められているトカラ列島近海の地震は、M2.0以上に限っても全2290件くらいある。
このデータで、地震発生時にエルニーニョ現象などの海洋現象が起きていたか調べて、集計してみた。
計 期待値
・エルニーニョ:51% 26% →非常に多い
・ラニーニャ :33% 29% →やや少ない
・黒潮大蛇行 :86% 39% →非常に多い
・正IOD :05% 12% →少ない
・負IOD :06% 09% →少ない
上記の見方は、たとえばエルニーニョは全期間の26%、つまり4分の1くらいの頻度で発生している。
だが、トカラ列島近海の群発地震は、エルニーニョ発生時の期待値の2倍ほどになる51%にもなっていた。
つまり、トカラ列島近海で発生する地震は、群発地震に限らず、エルニーニョ現象の発生中に多く起きる傾向がある。
ラニーニャ現象の発生時には、やや少なくなる。
現在はエルニーニョもラニーニャも起きていない平常期となっている。
次に、黒潮大蛇行との関連性を見ると、期待値の39%の2倍以上と、非常に多い。
黒潮大蛇行が2017年夏に発生して以来、7年以上も続いている。
■トカラ群発地震の発生傾向
以上をまとめると、トカラ列島近海の群発地震と海洋現象の関係は、以下のようになる。
・黒潮大蛇行期に非常に多い
・エルニーニョ期に多い
・ラニーニャ期には、やや少ない
他に、インド洋ダイポールモード現象(IOD)の発生は、正/負とも少ない傾向がある。
IODは通常は春から秋にかけて発生するが、現在はどちらも起きていない。
現在は関東圏や北海道で地震があまり起きていないが、今日のスーパームーン新月の後で今週はどうなるかわからない。

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