黒潮の最新状況と長期予測を見ると、今後の南海トラフなど大地震の発生状況が見えてくるが、今後の大蛇行と続流の予測から、大地震の可能性を探ってみたい。
■黒潮
まず、2014年5月~2017年8月上旬の、黒潮の直進期(非大蛇行期)の時の海流と発生した地震を示す。
東日本沖では、東北地方太平洋沖地震の余震が多く起きていた。
また、黒潮続流が北上していなかったことも、地震が多発した一因だったかもしれない。
また、黒潮直進期では、大蛇行が起きている時には渦の内側になるエリアで大きめの地震が起きていた。
次に、黒潮大蛇行が始まった頃からのもの。
能登半島地震もあったが、これは日本海側で黒潮の影響はなかった。
黒潮続流が岩手県沖まで北上していたが、その内側では大きめの地震が多発していた。
次のマップは1年前以降のもので、黒潮続流の北端がやや南下してきた。
大蛇行が発生中に渦の内側で起きる地震は、青色で示す深さ200km以上のものばかりであることがわかる。
これは、長年の研究でわかってきたことで、たとえ大蛇行が発生中でも、深発地震は影響を受けずにいつでも起こり得る。
■黒潮の最新予測
次に、JAMSTECによる最新の黒潮の予測を見てみる。
『黒潮親潮ウォッチ』の「2025年10月12日までの黒潮「長期」予測(2025年8月14日発表)」より。
冒頭では、こうある。
伊豆諸島付近と九州・四国沖に大きい蛇行があります。東の蛇行は蛇行こそ大きいものの、黒潮大蛇行らしい蛇行ではなく、長期には保たれなさそうです。西の蛇行は東に進み、大蛇行的になる可能性があります。
そして、2ヵ月後の2025/10/12の長期予測は、下記の通りとなっている。
これを見ると、大蛇行の渦がやや西へ移動している予測となっている。
最新の08/18の黒潮の状況は、下記の通り。
これを見ると、大蛇行の渦の端がかなり長く南へ伸びている。
JAMSTECの長期予測では、秋頃までは大蛇行が終息せず、南海トラフ巨大地震の発生も、今年いっぱいくらいは安心できそうだ。
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