昨日のカムチャツカ半島東沖のM7.4の前に、海面水温の変化があったが、これは海溝型地震の多くで共通して見られる事象で、このような知識があれば大地震の防災に役立つだろう。
■カムチャツカ半島東沖地震
まず、昨日のカムチャツカ半島東沖の地震の詳細は下記の通り。
2025/09/13 11:37JST:カムチャツカ半島南沖、M7.4、深さ40km
これまでの経験則で、大規模な海溝型地震の発生前には、海面水温の急激な変化が伴うことが多い。
そこで、まず地震発生の1ヶ月前の「海面水温異常」(平均値からの偏差)のマップを見ると、下記のようになっていた。
緑色の丸印は、震源を示す。
下の凡例にあるように、黄色は海面水温が非常に高かったことを示し、広範囲で高温だったことがわかる。
次に、それから2週間ほど後の海面水温を見ると、下記のように変わっていた。
そして、更に2週間後の、地震発生前日のデータは下記の通り。
■日向灘地震の事例
次に、最近の国内の大規模な地震の例として、昨年の日向灘地震のデータを示す。
2024/08/08 16:42:日向灘、M7.1、最大震度6弱、深さ31km
まず、地震発生の1ヶ月ほど前の海面水温データは下記の通りだった。
全体的に赤い部分が多く、平均よりも海面水温が高かったことがわかる。
次に、その2週間後。
黒味が増して、震源周辺の海面水温が多少低くなったことがわかる。
そして、更に2週間後の地震の前日のデータ。
震源付近で、また赤みが増してきた。
そして翌日にM7.1の地震が発生した。
やはりM7クラス位では、このように顕著なデータとなりやすい。
■海溝型地震の前兆
以上の2件の例を見て、傾向が見えてきた人もいるだろう。
あるところで大規模な海溝型地震が発生する前には、海底の温度が上昇する。
そして、これは内陸でも海底の地震でも共通することだが、一旦温度が下降した後で、地震発生となる。
以前からメディアでも書いてきたが、大地震の発生前には夏季の前後に「猛暑」が伴うことが良く見られる。
今年も記録的な猛暑となったが、猛暑になると必ず大地震が起きるわけでもない。
ただ言えるのは、この記事で書いてきたように、「猛暑」、「海面水温」、「地震発生」は相互にリンクしていることも多い。
そのため、猛暑の際には、念のためその後の数ヶ月間は大きな地震に注意するに越したことはないだろう。
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