【予測】「猛暑の夏の後で大地震が起きる傾向」「大地震の前後に気温が急変」地震学者も認める関連性

2020/10/08

地震前兆

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 大地震の前兆現象としては様々な要素が考えられているが、「気温」と地震の発生については地震学の世界でも民間でもあまり言われない。だが過去の大地震の前の夏が猛暑だったり発生の数日前に気温が急に上下した例が非常に多い。


■TOCANAの記事

今日TOCANAで、私が執筆した記事が掲載された。
題して『【緊急警告】もうすぐガチで巨大地震が起きる!! 「猛暑の後は危ない」地震学者も危惧する“ヤバイ関連性”がデータで判明!』というもの。

今年のような猛暑の夏の後で大地震が発生したり、大地震の数日前に震源地の気温が急上昇・下降したりする例は非常に多いが、あまり知られていない。

そこで、そのことを周知するために、この記事を執筆した。

まず、下記のTOCANAの記事を読んでみてください。


■猛暑後の大地震の例

TOCANAの記事で、猛暑の夏の後の翌年春くらいまでに大きな地震が起きた例を示した。

字数の制限があったので7例を示すにとどめたが、こちらでは19世紀末以降にわかっている猛暑の年で、夏~春にかけて大地震や火山噴火が起きた例を示す。

凡例:【ラ】ラニーニャ現象、【正IOD】正のダイポールモード現象、【負IOD】負のダイポールモード現象

※ダイポールモード現象:インド洋熱帯域の東部で海水温が低くなり、逆に西部では海水温が高くなる現象。負では東西が逆になる。

【猛暑】1894年:6月から北海道~九州
【南関東】1894年06月20日:明治東京地震(東京湾付近)、M7
【南関東】1894年10月07日:東京湾付近(東京湾付近)、M6.7
【南関東】1895年01月18日:茨城県南部(茨城県南部、内陸)、M7.2
【噴火】1895年(明治28年10月16日):霧島連山・御鉢噴火。
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【猛暑】1923年。8月のみ。
【南関東】1923年09月01日11時58分:関東地震(関東大震災)、M7.9、犠牲者・行方不明者10万5,385人(1925年の調査:14万2,800人)。
【南関東】1923年09月02日:千葉県南東沖、M7.3
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【ラ】1924年春~1925年春
【負IOD】1924年初夏~晩秋
【猛暑】1924年。7月~8月。
1924年7月1日:北海道東方沖 M7.5
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【負IOD】1933年初夏~晩秋
【猛暑】1933年。
【噴火】1933年12月24日~1934年01月11日:口永良部島噴火、犠牲者8名。
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【ラ】1942春~1943秋
【猛暑】1942年。
【噴火】1942年11月16日:北海道駒ケ岳が大噴火。VEI3。
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【正IOD】1946年初夏~晩秋
【猛暑】1946年。
1946年12月21日:昭和南海地震、M8.0、犠牲者・行方不明者1,443人
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【ラ】1954年春~1955/56年冬
【負IOD】1955年初夏~晩秋
【猛暑】1955年。ラニーニャが一因。
1955年5月30日:硫黄島近海、M7.5。
1955年7月27日:徳島県南部、M6.4、犠牲者1人。
【噴火】1955年10月13日~17日:桜島噴火。以降65年以上火山活動が続行。
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【ラ】1964年春~1964/65年冬
【負IOD】1964年初夏~晩秋
【猛暑】1964年。
1964年06月16日:新潟地震、M7.5、犠牲者26人。
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【ラ】1973年夏~1974年春
【猛暑】1973年。
1973年6月17日:根室半島沖地震、M7.4、津波地震。
【噴火】1973年7月14日~28日:爺爺岳、マグマ水蒸気噴火。
【噴火】1974年03月02日:新島の東北方で新々島が形成。
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【猛暑】1980年・米国全域
【噴火】1980年5月18日:米国、セントヘレズ山、山体崩壊により岩屑雪崩と爆風、犠牲者57人。
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【猛暑】1984年。
1984年8月7日:日向灘、M7.1。
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【正IOD】1994年初夏~晩秋
【猛暑】1994年夏季。正IODの影響。近畿でも高温。
1994年10月4日:北海道東方沖地震、M8.2、犠牲者・行方不明者11人。
1994年12月28日:三陸はるか沖地震、M7.6、犠牲者3人。
1995年1月7日:岩手県沖、M7.2。
1995年1月17日:兵庫県南部地震、M7.3、死者・行方不明者6,437人。
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【猛暑】2004年。
【噴火】2004年09月02日20時02分:浅間山、中規模な爆発的噴火。
【水害@大蛇行】2004年10月18日~21日:台風23号による豪雨、死者・行方不明者98人。
2005年3月20日:福岡県西方沖地震、M7.0、犠牲者1人。
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【猛暑】2006年夏季。正IODの影響。日本、ヨーロッパ全域、米国東部。
2006年11月15日 千島列島沖地震 - M7.9。
2007年1月13日 千島列島沖地震 - M8.2、津波。
2007年03月09日:日本海北部、501km、M6.2
2007年3月25日:能登半島地震、M6.9。
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【ラ】2007年夏~2008年春
【正IOD】2007年初夏~晩秋
【猛暑】2007年夏季。正IODの影響。日本、ヨーロッパ南東部。
2007年7月16日:新潟県中越沖地震、M6.8、犠牲者15人。津波。
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【正IOD】2010年初夏~晩秋
【猛暑】2010年夏季。正IODの影響。大船渡市、仙台市で平均気温が最高。
【ラ】2010年夏~2011年春
2010年11月03日:オホーツク海南部、392km、M5.4
【暖冬】2010年冬~2011年
2010年12月22日:父島近海、M7.4〜M7.8。
【噴火】2011年02月01日:新燃岳、VEI3。
2011年03月11日:東北地方太平洋沖地震 - Mw9.1。
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【猛暑】2011年。日本、米国中東部、カナダ東部。
2012年03月14日:千葉県東方沖、M6.1、海溝、犠牲者1人。
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【ラ】2013年春~秋
【正IOD】2013年初夏~晩秋
【猛暑】2013年夏季。正IODの影響。日本、オーストラリア、ブラジル東部、中国南部。
【大蛇行】2013年7月~2014年4月頃
【噴火】2013年8月18日16時31分:桜島・昭和火口で爆発的な噴火、噴煙5000m。
【噴火】2013年11月20日:西之島の南南東500mで噴火があり、新しい陸地が出現。
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【猛暑】2015年。
【暖冬】2015年冬~2016年
2016年4月16日:熊本地震、M7.3、犠牲者258人。
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【ラ】2017年秋~2018年春
【正IOD】2018年初夏~晩秋
【猛暑】2018年夏季。正IODの影響。熊本県人吉市で観測史上1位の高温。
2018年6月18日:大阪府北部地震、M6.1、犠牲者6人。
2018年09月06日:北海道胆振東部地震(M6.7)、犠牲者42人。
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【猛暑】2019年。
【水害@大蛇行・正IOD】2019/06/28~07/08:平成30年7月豪雨、犠牲者263人、負傷者484人
【噴火】2019/11/02:薩摩硫黄島
【噴火】2019/12/25 21:22:諏訪之瀬島、御岳で爆発的噴火、噴煙500m。
【噴火】2020/01/11:鹿児島県・口永良部島の新岳が噴火。
【噴火】2020/01/14 23:48:桜島爆発、噴煙1100m。
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【猛暑】2020年夏季。7/23熊谷で歴代最高タイ41.1度。
【負IOD】2020年夏~秋に可能性
【ラ】2020年9月~

■猛暑後の大地震の例

このように、歴史に残る大きな被害地震、たとえば明治東京地震、関東大震災、昭和南海地震、新潟地震、東日本大震災、熊本地震の前の夏も猛暑だった。

これを見ると、ラニーニャ現象が発生中に猛暑となることが多いが、これは気象学でも知られていることだ。
加えて、猛暑の後で大地震が多いというのが本当ならば、ラニーニャ現象と大地震の発生にも関係があることになるが、私の研究では確かにそうだと考えている。

このような傾向は、はっきりと断言できるほどではないが、地震学者の中でもその可能性を認めている人も少ないがいる。

これが事実ならば、今年もそうだが、猛暑の夏の後は翌年春頃までは大きな地震に注意することができる。

■地震直前の高温

次に、大地震発生の直前に震源近くで気温が急上昇する件。
こちらの方が、猛暑の後のケースよりも確度が高いかもしれない。

各地の言い伝えの類では、このようなものがある。

・天気朦朧として蒸し暑いのは地震の前兆。
・静かで蒸し暑いと地震がある。

この場合は、暑さだけでなく湿度も上がると考えられている。

大地震の前兆として、このようなケースは見られるため、あるかもしれない。

気温や湿度の前兆の場合は、過去の事例を見つけ出すのが中々大変で時間がかかり、今後すこしずつ見つけ出していくことにしたい。



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