過去の歴史的大地震の発生時期を調べていて、「遠地点」の付近で起きている地震が多いことに気づき、月が地球に最接近する近地点だけでなく、あるいはそれ以上に遠地点が重要だということを最新式した。
■遠地点
まず、遠地点とは何かというと、天文学用語で、月がその公転周期のうちで地球から最遠になるタイミングのこと。
つまり、「近地点」と逆の位置に来るタイミングとなる。
もし、地球上の大地震の発生に月の「引力」が関係してくるとすれば、月が地球に最接近するスーパームーンはともかく、反対に月が地球から最も遠くなるマイクロムーンと大地震の関係は否定されるだろう。
同じく、月が地球に最接近する時点である「近地点」、つまり満月・新月と重ならない期間と同様に、「遠地点」も地震との関係を検討しなければならなくなる。
この観点から、過去の大地震と遠地点の関係について、いくつかの地震データを見てみる。
■大正関東地震
まず、関東大震災の発生時は、正に遠地点の同日、しかも2時間ほど経った時点だった。
【月】1923/08/26 19:39:部分月食、満月
【+2】1923/08/28:カリフォルニア湾、M6.5
【遠】1923/09/01 09:59:遠地点
【+6】1923/09/01 11:58:大正関東地震、M7.9、最大震度6、深さ23km、津波12m、犠牲者・行方不明者約10万5千人
【日】1923/09/11 05:47:皆既日食、新月
■東北地方太平洋沖地震
次に、東日本大震災の発生時は、マイクロムーンの4日後にM7.3の前震が、6日後に本震が発生した。
【S】2011/02/18:満月
【+3】2011/02/21:フィリピン・ブルサン山噴火、噴煙2千m以上。
【M】2011/03/05 05:46:新月
【遠】2011/03/06 16:51:遠地点
【+4】2011/03/09 11:45:三陸沖、M7.3、最大震度5弱、津波60cm。
【+6】2011/03/11 14:46:東北地方太平洋沖地震、M9.0、震度7、犠牲者・行方不明者約2万2000人
【ES】2011/03/20 03:10:満月、近地点
【近】2011/03/20 04:10 356577km
この時は、月が特別に地球に最接近するエクストリームスーパームーン(ES)の9日前にM9.0の巨大地震が発生した。
だが、9日のタイムラグがあり、やや説得力が弱かった。
だが、「遠地点」から3日後に前震が、5日後に本震が起きたという見方ならば、より納得がいくだろう。
■能登半島地震
能登半島地震では、通常の満月から2日後ということで、これだけでも大地震のトリガーにはなり得るだろうが、遠地点の前日ということで、歴史的大地震の発生もあり得るだろう。
【満】2023/12/30 05:02
【+2】2024/01/01 16:10:能登半島地震(能登半島北部)、M7.6、最大震度7、犠牲者572人
【遠】2024/01/02 00:29:遠地点
■カムチャツカ半島
もう一つ、今年の事例を。
8月にカムチャツカ半島沖の地震があり、その前後に同半島で火山噴火も続いた。
この時も、遠地点の翌日に火山噴火と大地震が発生していた。
【遠】2025/08/02 05:38:遠地点
【-6】2025/08/03午前:カムチャツカ半島・クラシェンニコフ火山(Krasheninnikov)噴火、噴煙高さ6000m、600年ぶり
【-6】2025/08/03 14:37:カムチャツカ半島沖、M7.0
【-1】2025/08/04午前:カムチャツカ半島・クリュチェフスカヤ山噴火、噴煙高さ14000m
【-1】2025/08/04:カムチャツカ半島・アヴァチンスカヤ山噴火
■「月の遠近カレンダー」
他に、直近の事例を紹介しようと思ったが、既に時間が遅くなってきたので、後日紹介することにしたい。
近地点や遠地点がいつなのかを知りたい場合は、私のnoteマガジンの読者には常時情報を提供しているが、他に、私も愛用している「月の遠近カレンダー」もある。
私自身、マイクロムーンや遠地点の重要性は、このカレンダーの作者から教わったと言えるだろう。
※「月の遠近カレンダー」、2026年版はまだ発売前だが、最近のムーンフェイズカレンダーは詳しい月齢データが載っているものが増えてきた。
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■明菜さんマガジン更新
『明菜の夢見るマガジン』10月版、昨夜更新しました。