昨日は世界的な「世界津波の日」(津波防災の日)だったが、その由来となった171年前の「安政南海地震」では数種類の前兆現象があったことを紹介する。
■津波防災の日
昨日11/05は「世界津波の日」で、日本では「津波防災の日」とも呼ばれる。
10年前の2015年12月に国連総会本会議で「世界津波の日」を定める決議がコンセンサスにより採択された。
なぜ11月5日なのかというと、171年前の1854/12/24(太陰暦では安政元年11月5日)に安政南海地震が起きた日だったため。
この地震の際に、後にラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の小説「稲むらの火」の題材となった短編小説「A Living God」(生き神様)があった。
下記の内閣府のサイトから、あらすじを引用する。
「稲むらの火」のあらすじ
高台に住む庄屋の五兵衛は長くゆったりとした地震の後、家から出て村を見下ろした。
しかし、村人は豊年を祝う祭りの準備で地震には気付いていない様子だ。
五兵衛が目を海にやると、潮が引き、広い砂原や岩底が現れている。
津波がやって来るに違いないと直感した五兵衛は、自分の畑に積んであった取り入れたばかりの稲むらに次々と松明で火を放った。
すると、火に気付いた村人が火を消そうと高台に次々と駆けつけた。
村人が五兵衛のもとに集まってしばらくすると、津波が村を襲い、村は跡形もなくなってしまう。
その様子を見た村人は、五兵衛が稲むらに放った火によって命が救われたことに気付くのであった。
こうして、濱口梧陵(当時35歳)という青年が津波から避難できるように、稲むらに松明で火を放った。
■安政南海地震
ハーンが題材とした地震は、下記の南海地震だった。
当時の月齢なども示す。
【新】1854/12/20 06:46
【近】1854/12/21 12:11:近地点
【+3】1854/12/23 09:30頃:安政東海地震、M8.4、津波22m、犠牲者2千~3千人
【+4】1854/12/24 16:20頃:安政南海地震、M8.4、津波16m、犠牲者千~3千人
このように、東海地震の発生の翌日に南海地震が起きていた。
■前兆現象
Wikipediaの「安政南海地震」の項によると、以下のような前兆現象が事前に見られた。
・干潮:地震の約1か月前の10月1日頃には干潟が広がり、異常な干潮により船を出すのに往生した。
・ミミズ:地中より這い出し息絶えていた。
・井戸枯れ:井戸水が枯れたり濁るなどの現象。
上記3件とも、大地震の前に良く見られるものだ。
ちなみに、昨日は娘と近所の公園へ行ったが、モグラの穴が多数見られた。
この2週間ほどで、関東でM3~M5クラスの地震が8件ほど集中して起きていたが、その一つの前兆だった可能性がある。
このように、地中に棲息する生物は、地上の動物よりも地震前兆に敏感である可能性がある。
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※昨日は午後に家の前で小さなネズミが走っていたが、関東で地震が多発する今では、このような珍現象も妙に納得する。






