今日09/10の気象庁の発表によると、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生しない時期が今後もしばらくは続きそうとの予測で、そうなると自説では南海トラフ巨大地震など大地震の発生に影響があるので、解説したい。
■エルニーニョ監視速報
気象庁は今日9月10日(水)、エルニーニョ監視速報を発表した。
エルニーニョ現象とは、太平洋の熱帯域(南米沿岸付近)で海面水温が平年より高くなる状態が、半年から1年半程度続く現象のこと。
反対に、同海域で海面水温が平年より低くなる状態が、半年から1年半程度続く場合を、ラニーニャ現象と呼ぶ。
現在は、エルニーニョもラニーニャも起きていない平常状態が続いている。
最後にいずれかが発生した時期は、2023年春(5月)~2024年5月で、エルニーニョ現象が1年間ほど続いていた。
その後は、現在までどちらも発生していない平常状態が続いている。
■平常状態が続く
今回の気象庁の発表では、しばらくはラニーニャ現象に近い状態が続く可能性があるという。
だが、そうだとしても短期的なもので、下記の図のように、今後も冬までは平常の状態が続くだろうとのこと。
■大地震の発生傾向
問題は、今後も平常な状態が続くとして、南海トラフなど海溝型大地震の発生の可能性はどうなるだろうか?
ここからが私の独自の研究に関わってくる領域となる。
1919年以降の気象庁の地震データ(M6.5以上)を、エルニーニョ/ラニーニャ/平常と分けて集計すると、以下の通りとなる。
【大地震 合計】 M6.5以上:617回(1919~2019)
・エルニーニョ: 121回 期待値の70%と少ない
・ラニーニャ : 209回 ほぼ期待値通り
・平常期: 287回 期待値の130%と多い
つまり、今後も冬まで平常期が続くとなると、日本周辺で大地震が起きる可能性は高くなることになる。
■南海トラフ巨大地震
加えて、08/31の記事で書いたように、今年の4月に黒潮大蛇行が終息していたことがわかった。
そうなると、南海トラフ巨大地震の発生の可能性にも大いに影響が出てくる。
16世紀以降に発生した南海トラフ巨大地震は、計6回起きていたが、その時のエルニーニョ/ラニーニャの発生状況によって集計すると、下記の通りとなる。
◎16世紀以降の南海トラフ巨大地震
・合計: 6回
・エルニーニョ中: 2回
・ラニーニャ中 : 0回
・平常期 : 4回
つまり、平常期が最も南海トラフ巨大地震が多く起きていた。
他にも、日本周辺の海溝型大地震についても、今後も同様に発生の可能性が高い状態が続くことになる。
過去の南海トラフ巨大地震は、すべて7月~2月に起きていたが、その期間中は特に、巨大地震の発生の可能性を考えておくべきだろう。
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