発生が迫っているとされる首都直下地震について、政府の有識者会議が新たな被害想定をまとめた報告書を公表したが、実際のところ、首都が壊滅的になるといわれる大地震はいつ頃に起きるのかについて概要を示したい。
■新たな被害想定
12/19に、政府の有識者会議が、新たな被害想定をまとめた報告書を公表した。
M7級の地震が起きると、最悪の場合、犠牲者が1万8千人、全壊・焼失する建物が40万棟に上るという。
今回の試算では、都心南部直下地震(M7.3)が発生し、最大震度7に達した場合の被害規模を試算した。
このブログは、将来起こり得る地震の予測が基本なので、今回の被害想定の試算などについては、上記の記事を読んでください。
■発生の季節性
ここからが、このブログとしての本題に入る。
1919年以降の気象庁の震度データベースで、南関東を震源とするM5.5以上の地震を検索すると、82件ほどが見つかる。
そのデータを月別に集計すると、下記のグラフの通りとなる。
ここで、9月に最も多いのは、大正関東地震(1923/09/01、M7.9、最大震度、犠牲者・行方不明者105,385人)と、その余震に引っ張られているため。
一応余震と思われるものを除いているのだが、それでも偏りが出る。
これを見ると、あまり顕著な傾向は見られない。
■海洋現象
次に、これらの地震の時に起きていた海洋現象を集計すると、下記のグラフの通りとなる。
まず、エルニーニョ/ラニーニャ現象の傾向については、いずれも起きていない平常期に非常に多い。
ちょうど現在が、それにあたる。
性格には、太平洋で海面水温が西の方で上昇するラニーニャ現象に近い状態になっている。
次に、インド洋ダイポールモード現象(IOD)の発生の有無については、大きな偏りはないが、正IOD発生時にやや少なくなる。
IODは通常、夏~秋に発生するが、冬になって負IODは収束したと思われる。
そして、黒潮大蛇行については、非大蛇行期との偏りは見られない。
ちなみに、黒潮大蛇行は今年春に終息したとされていて、現在は非大蛇行期(直進期)となっている。
海洋現象で顕著な傾向が見られないのは、南関東直下は主に内陸が震源となるケースが多いためと思われる。
■あくまでも想定





