【最新研究】巨大地震が起きる位置がわかるか?発生の一因に異常マントル構造~東北大院教授らが発表

2021/04/29

巨大地震 地震 地震前兆

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3.11など巨大地震が発生する原因に関する新たな研究結果が、米国の専門誌に掲載されたが、非常に重要な内容を含んでいるので紹介する。


■巨大地震の一因

昨日4/27の河北新報で、『巨大地震の一因に異常マントル構造 東北大院・趙教授ら発表』と題した記事があった。



東日本大震災などM9.0以上の巨大地震の発生は、海洋プレート下の異常なマントル構造が影響を及ぼしたという。
東北大大学院の趙大鵬(ちょう たいほう、Zhao Dapeng)教授(地震学)らが4/27日付の英科学誌『ネイチャージオサイエンス』電子版に発表した。

M9以上の地震は、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む境界で発生している。
趙教授らは、巨大地震が起きた日本列島を含む世界の6地域の地下構造を「地震波トモグラフィー」という手法で解析した。
これは、地震波が伝わる速さから岩盤の性質を調べるもの。

その結果、海面から深さ100~310km程度の海洋プレート下に、周囲に比べ地震波速度が小さい異常なマントル構造を発見した。
そして、そこを周囲より温度が150~300度程度高い「マントル上昇流」と推測した。

マントル上昇流は海洋プレートを押し上げ、大陸プレートとの境界が滑りにくくなる。
さらに、巨大地震の震源や震源域が複数のマントル上昇流の「すき間」や「端部」の真上に位置することも判明した。
そして、マントル上昇流による押し上げがないことが、巨大地震の一因になったと分析している。

東日本大震災の震源域も、同様の傾向がみられた。

趙教授は、こう語る。

「巨大地震の発生にはさまざまな要因があるが、沈み込む海洋プレート下のマントル構造も影響を及ぼす。今後、震源域を予測する上でも重要な手掛かりになる」

■画期的な発見か?

趙教授らの研究は難解だが、要は巨大地震が起きる地下のマントルでは、周囲より地震波の速度が遅くなる「低速度異常体」が存在する。

その存在を、「地震波トモグラフィー」といった手法で検出することができる。
この地震波トモグラフィーとは、地震波の伝播時間を用いて、地球内部の3次元速度構造を求める手法のことで、またそれによって得られた画像をそう呼ぶこともある。

今回の調査の対象だった世界の6地域とは、下記の図にある場所らしい。


だが、最後のバハ・カリフォルニア半島あたりでは、なぜか対応する巨大地震が書かれていない。
これから起きそうなところ?
そうではなく、過去に巨大地震が起きた6カ所とあるので、なぜかはわからない。

■福島原発直下に「地震の巣」を発見

趙教授の研究は、以前にもメディアで注目されたことが何度かある。

2012/03/15の週刊現代では、『独占インタビュー 原発の地下に地震の巣を発見 もしもの場合は日本中に放射能が撒き散らされる そのとき日本は破滅する?「福島第一原発直下型地震(M7クラス)」を予測する東北大学教授に聞く』というインタビュー記事があった。



趙教授へのインタビューだが、「福島第一原発の地下を震源とする、M7クラスの直下型地震が起きる可能性があります。この揺れに耐えられるよう、早急に原発施設の耐震強度を上げるなどの対策が必要です」と警告していた。

M7クラスといっても、福島原発の間近で起きれば原発の安全性を脅かす地震となり得る。

この記事は有料記事で最後まで読めないが、福島でM7クラスといえば、今年2/13に福島県沖でM7.3、最大震度6強の地震が起きた。
だが、この記事にある研究は直下地震が対象なので、違うようだ。

この趙教授は、名前からして中国の人のようで、中国北京大学理学部を卒業後、東北大学大学院で博士号を取得し、'91年から7年間は米国カリフォルニア工科大学などに留学、その後に愛媛大学教授を経て、2007年から同大学院に所属する地震学者だ。

権威ある科学誌に積極的に論文を提出している科学者で、今後の研究に期待したい。

■今日の前兆現象

ちび子の運動量は、以下の通りで、少し減った。


今日も、耳鳴りが異様に強い。
4/27のスーパームーン満月の影響は、通常ならば週末頃まで続く。


※子供たちにも飲ませるようにしたが、その場合は液状が便利。









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ノンフィクションライター、地震前兆研究家、超常現象研究家、ブロガーの百瀬直也が地震・災害などを扱うWebサイト/ブログ。

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