千葉県沖でカツオが異常に大漁となり、週刊誌では大地震の前兆の可能性が報じられている。
また、能登半島地震の前にクジラが出現したり、札幌でシカが住宅に侵入するなど地震前兆かもしれない現象があるのでまとめて紹介する。
■千葉カツオ大漁
6/19の遥梛の誕生日に、一人で田無までケーキを取りに行った。
その時、タブレットを忘れてきて、手持無沙汰でキオスクで週刊誌を買った。
何気に手を取ったのが『女性セブン』6月30日号で、その最後の方に「『カツオ35倍』は恐怖の前兆！」の見出しが。
いつものアンテナが働いたか。
5/31に、千葉県勝浦港でカツオが異例の大漁となった。
カツオの主な水揚げ港である勝浦港と銚子港では、今年4月までは不漁が続いていたが、5月から一転して水揚げ量が激増した。
水揚げ量が4月と比べて35倍にもなった。
■カツオ大漁は地震前兆？
武蔵野学院大学特任教授で地球物理学者の島村英紀氏は、こう語る。
「異例の豊漁が続いた後に、大地震が発生するケースは少なくありません。カツオの豊漁がなんらかのサインである可能性も考えられます」
豊漁と地震の関係については、こう語っている。
「地震発生の前段階として、海底で岩盤がぶつかり合ったり、割れたりするのですが、その際に電流や磁気などが発生するという研究結果があります。水中生物は微弱な変化を敏感に捉えるセンサーを持っており、その感度は人間が作ったセンサーよりも桁違いに高い。水中生物が海底からの異常を感じ取ることで、彼らの生態や行動に異変が生じた可能性があります」
島村氏の説には、おおむね同意する。
私の地震前兆データベースでも、たとえば以下のような例がある。
・マグロ大漁→1896/06/15：明治三陸地震、M8.2、最大震度4、津波
・マダイ大漁→1995/01/17：兵庫県南部地震、M7.3、最大震度7
魚類の大漁が必ず大地震に結び付くとは限らないが、しばらくは千葉県沖あたりで他に異状がないか注視したい。
■クジラ出現
4日前の2022/06/19 12:50頃、石川県七尾市能登島の東沖15kmほどのところで、釣りのグループがクジラが泳ぐ姿を動画に撮影した。
撮影者は、「普段釣りに出てもイルカを目にすることは多いが、クジラははじめて見た」と語った。
映像を見た「のとじま水族館」の職員は、「クジラに間違いない。(映像だけでは)種類、大きさは分からないが、珍しい。とても興味深い」と語った。
下記のニュース記事では、撮影された動画が埋め込まれている。
クジラが泳いでいたという程度では、大地震と結びつく可能性はそう高くないとするところだ。
だが、この場合は「時間」と「距離」が注目点だ。
クジラ出現の場所は、6/19のM5.4の地震の震源から南へ約40kmの地点。
2022/06/19 12:50：クジラ出現、能登島の東約15km
2022/06/19 15:08：石川県能登地方、M5.4、最大震度6強、深さ13km
2時間ほどのタイムラグと40kmの距離を考えると、鯨類の地震前兆としては、あり得るだろう。
地震の震源が内陸だった点は要検討だが、震源は海岸にごく近い地点であり、海水中に電流が流れるなど何らかの異変が生じた可能性もあるかもしれない。
■札幌でシカが自宅に突っ込む
次に、昨日2022/06/22 15時頃、札幌市の住宅にシカが侵入して、およそ3時間にわたり家の中に居座った。
これも、北海道あたりではクマの出没なども含めて結構よくあることなので、地震との関係は低い可能性として考えておく。
ちょうど1年前の今日、2021年6月23日朝にも、札幌市中央区宮の住宅地にエゾシカ2頭が現れていた。
この時には、その後に対応すると思われる地震は起きなかった。
ちなみに、こういう情報もある。
JR北海道の列車が2021年度にシカと衝突した事故件数は2632件（前年度比219件増）で、JR発足以降で最多だった。
これも、1年という長期間での現象は、地震前兆とは言い切れない要素が強い。
エサ不足などの理由で人里に出現する機会が増えたなどの要因も調べるべきだろう。
※私が「バイブル」と言っている本は数冊あるが、これが無くなったら研究に差し支えるという定番本。
編集のプロによる見事なデータベース。
