8年前の探求三昧2ブログの記事で、2017/05/16以降に大分県豊後大野市の山地で、地割れが40ヶ所以上で確認されたが、これが地震前兆現象だったかどうかを検証してみたところ、「地熱流体」など問題がある地域だった。
■地割れが40ヶ所以上
8年前の2017/05/16以降に、大分県豊後大野市の山地で、地割れが40ヶ所以上で確認されたことは、当時の『探求三昧2ブログ』の記事で書いていた。
この写真を見ると、かなり派手な地割れで、これが40ヵ所以上で起きていたのだから、地震に最大限の警戒をすべきだろう。
地割れが起きていた場所は、下記マップ中央の赤字で示した地点。
正確な場所は不明だが、県道209号線から西へ200mほどのところだという。
◎2017/05/24:日テレニュース:「大分地割れ“地滑りが地表に現れた”と見解」
■その後の地震
上記マップで書き入れたが、その1ヶ月半ほど後で、県を跨っていたが熊本県のごく近場で地震があった。
・2017/05/16~:豊後大野市朝地綿田地区:地割れ
→2017/07/02 00:58:熊本県阿蘇地方、M4.5、最大震度5弱
地割れが起きていた地域から震源までは16kmほどの近場だった。
そうなると、やはり地割れの多発が何らかの形で地震の発生に関係があったのだろう。
■過去の地割れ
大分県西部では、1964年に地滑りが起きた記録がある。
朝日新聞の「揺れやすい地盤」サイトで、「大分県豊後大野市朝地町綿田」で検索すると、「地形の種類」は「山地」に分類される土地だ。
「揺れやすさの目安(表層地盤増幅率)」は0.6前後で、「揺れにくい(かたい)」の方へかなり偏っている。
これも冒頭のマップに青字で書き入れておいたが、近場では下記の地震が起きていた。
1975/04/21 02:35:大分県中部地震、M6.4、最大震度4、深さ0km
下記の地元気象台のサイトに関連ページがある。
大分県地方気象台:「大分県中部の地震から50年」特設サイト
1975年の地震で、大分県内では負傷者22人、全壊77棟、半壊115棟などの住家被害が生じた。
■「地熱流体」の存在
このような地割れが多発する地域では、真っ先に調べたくなるのが地下の「流体」の存在だ。
以前に作成した、「地熱流体と地震」マップを見てみると、地割れが起きていた地域(青丸●印)の周囲は赤く塗られている。
直下に流体が存在するエリアではないものの、非常に近い。
また、この地下に流体が存在するエリアのマップは、それほど正確ではないかもしれない。
こうして見ると、やはり7年前の地割れは地下の「地熱流体」の存在が一因としてあったのではないか。
このあたりの私の最新の研究成果は、note『夢求三昧マガジン』2025年1月版で『地熱流体と地震の関係』と題して2回に分けて書いている。
※この記事に関係した、非常に本質的な内容を含むが、その重要性に気付いている人はごく僅か。
【Amazon】『なぜ地震予知は不可能で、二次災害は拡大するのか: 地下ガスによる地震現象とその解明』
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